プレゼンテーションのツボ2 top

●プレゼンテーションの準備

(1)テーマを考える

まずは「テーマ」について考えます。
テーマとは「主題」です。つまり、プレゼンの中で「もっとも言いたいこと」です。
それは最初から決まっている・・・と思われるかもしれませんが、今一度「時間」、「目的」、「聞き手」の3点を考慮していただきたいのです。

1)時間
プレゼンには必ず時間制限があります。
言いたいことがたくさんあっても、時間に合わせて絞らなければ、結局何が言いたかったのか、聞き手には全然わからないのです。
まずは発表時間を確認し、その時間内に話せるテーマを選びましょう。

2)目的
あなたは何のためにプレゼンを行いますか?
商品を買ってもらうためですか?
新規事業を立ち上げるためですか?
研究費や補助金を獲得するためですか?
細かい資料作りに追われていくと、目的を見失ってしまう場合があります。

例えば、商品を買ってもらいたいのなら、その商品の強み(いいところ)がテーマになるべきです。
新規事業を立ち上げるのなら、その事業が会社にどんな利益をもたらすのか、社会がどんな風に変わるのかがテーマになるでしょう。

目的にあったテーマを選びましょう。

3)聞き手
あなたのプレゼンを聞く人は、どんな人でしょうか?
男性が多いですか?女性が多いですか?年齢は?
プレゼンする内容の専門家ですか?詳しくない人ですか?

例えばあなたが大学の先生で、研究内容を発表するプレゼンがあったとします。「専門家が集まる学会」と「高校生が集まる学校説明会」ではテーマを変える必要がありますよね。

聞き手が関心をもち、理解できるテーマにすることが大切です。


いかがですか?
「時間」「目的」「聞き手」の3点は、テーマを決めるときだけでなく、プレゼン全体を通じて最も忘れてはいけないことです。
常に意識しておきましょう。

(2)素材を集める(調査・分析)

ここでいう「素材」とは、プレゼンに使う、写真、図、アンケート結果、本や新聞の記事といったものです。
もしかしたら使わないかもしれない・・・と思っても、出来るだけ「質のよいもの」を「たくさん」情報収集し、自分なりに分析してください。
情報収集のポイントは2つあります。

1)自分の言いたいことを裏付けよう
これはアンケート調査結果や、本、新聞の記事、事例といったものです。プレゼンに具体的な内容を盛り込むと、自分の言いたいことに真実味が増します。
例えば、「将来、高齢化社会になります」と話すより、「200X年実施の国勢調査によると、50年後には国民の○%が高齢者になります」と話した方が具体的です。
ただし、あまり数字を並べすぎても理屈っぽくてつまらないので、集めた中からいくつかを紹介する程度にしましょう。
気をつけていただきたいのは、出来るだけ新しく、出処が確かなものを探すことです。
また、自分の意見とは違うものが見つかったら、なぜそうなのかを考えておきましょう。プレゼン後、聞き手から反論や質問が出た場合に有効です。

2)聞き手を引き付けよう
写真、図、イラストのような画像はぜひたくさん用意してください。(効果については後述します)
気をつけたいのは、画像の「質」です。スクリーンに大きく映し出されると、画質の悪さが目立ちます。大きく拡大してもきれいな画像を用意してください。
さらに聞き手の趣味に合ったものを用意すると効果的です。自分の趣味は控えめに、聞き手に合わせましょう。
例えば、聞き手に若い女性が多ければ、かわいらしいイラストを用意したほうが共感が得られるでしょう。

(3)構成を考える

構成とは「話す順番」です。
プレゼンが成功するかどうかは、8割がた構成で決まります。
どんなにパワーポイントのテクニックを駆使しても、構成がだめだとプレゼンは失敗します。(残念ながらパワーポイント上級者にありがちです)
逆に言えば、パワーポイントの使い方がいまいちでも、構成がうまい人のプレゼンはわかりやすく、印象に残ります。

有名な手法が2つあります。

●SDS法 Summary(全体要約)-Details(詳細説明)-Summary(全体要約)
(1)聞き手に、これから何を話すのかを要約し、概要を話す。
(2)本論を実際に詳しく話す。
(3)最後に、もう一度何を話したかをまとめる。

●PREP法 Point(要点)-Reason(理由)-Example(具体例)-Point(要約)
(1)最初に、自分の言いたい結論を述べる。
(2)次に、その理由を述べる。
(3)具体例、実例、事例を挙げる。
(4)最後に、もう一度自分の言いたいポイントを繰り返し締めくくる。

2つに共通しているのは、最初と最後に結論を話すことです。
そして、間では中身を掘り下げています。

さらに、中身を考えるときに重要なのが「ストーリーを作ること」です。
一つ一つの話が次につながるような「流れ」を持つようにしましょう。
テレビ番組の構成作家、演出家になりきったつもりで考えてください。

それではここまでを踏まえて、具体的に構成を考えてみましょう。


例)
私は、イタリア料理店をオープンしようと思います。融資を得るため、ビジネスプランのプレゼンをすることになりました。構成を考えてみましょう。

1)導入 セールスポイント+事業名を話す。

例)「イタリアの家庭の味で楽しいひと時を提供する、
レストラン”ボーノ・ボーノ”の事業計画書を発表します。」
2)自己紹介 まずは聞き手に自分の名前、年齢、略歴を話す。

例)「私は○○です。高校卒業後、イタリアに渡り○年間
シェフとして働きました。1年前に日本に戻り、レストラン
開業の準備をしてまいりました。」
3)事業の背景 きっかけ、問題提起、統計資料などを提示。

例)現在、日本には多くのイタリア料理店があり、○市には×店あります。詳しくはこちらをご覧ください(資料の提示)。これらのレストランではコース料理が中心で、客層としては20代〜30代のビジネスマンが多く見られます。そこで私はファミリー客をターゲットに、本場で学んだイタリア家庭料理の店を開店したいと考えました。
4)事業のコンセプト 事業名、意味づけ、主張など。

例)店舗名は「イタリア家庭料理 ボーノ・ボーノ」。
ターゲットはファミリー客や、友人同士のグループです。大勢でイタリアの家庭の味を楽しんでいただきたいと思います。
5)セールスポイント 強み、特徴、他社との比較

例)他店とは違う、ボーノ・ボーノの特徴は3つあります。
1)本場イタリアの家庭料理
2)大皿料理
3)アットホームなサービス
(ひとつずつ、詳しく説明する)
6)具体的な事例 具体的な商品・サービスの提示、導入事例をあげる。

例)料理を出し食べてもらう、店舗のイメージ図・写真を出す、メニュー一覧(料金)を出す、など。
7)今後の展開 いつから始めるか、どのように成長するかを示す。

例)現在3箇所の候補物件があります。○月までに資金調達をし、賃貸契約を結び、店舗の改装にとりかかります。○月にオープン予定です。
8)収支計画 売上、経費、利益など。
9)課題と解決策 課題と、それに対する自分なりの解決策を提示。
10)まとめ 成功するとどうなる?決意、想いなど。

例)私は今までの経験を生かし、ぜひ本場のイタリア料理を○市の皆様に味わっていただきたいと思います。そして、家族、仲間の絆が深まる楽しいひと時を提供いたします。ご融資、よろしくお願いいたします。

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